テナント知恵袋

2019.02.03

定期建物賃貸借契約(定借(ていしゃく))なのに更新できると勘違いされていませんか?

「定借」(ていしゃく)という言葉を皆様はお聞きになったことがりますか?

定期建物賃貸借契約、あるいは定期借地権設定契約のように、「定期」という言葉がついた賃貸契約を略して使われています。

いずれも、基本的な考え方は同じですが、ここでは前者を例にあげてみます。

 

「普通建物賃貸借契約(普通借家権)」では、契約期間を定めていますが、通常、この期間が終了したからといっても契約終了とはなりません。

なぜなら、「正当事由制度」と「法廷更新制度」があるからです。、

よく、貸主様から「契約期間が満了したら更新しなければ解約できるだろう」とご相談されるのですが、実は正当事由がない限りは、

貸主は借家契約の更新を拒絶して借家契約を終了させることができないのです。

 

この正当事由が認められるためには厳しい要件があり、もしも正当事由が認められないまま賃貸契約の更新に応じなくても、

「法定更新」といって、法律が借家契約を更新させることになっています。

 

これに対して、「定期建物賃貸借契約(定期借家権)」では、更新がありません。よって、契約期間が満了すれば、正当事由は関係なく、

借家契約は終了となります。(イメージでいえば、有効期限が終了すれば無効となる定期券のようなものです)

 

もうおわかりですね?「定借にそもそも更新という概念はない」のです。

そのかわり、双方が合意した場合には契約満了の翌日からの新しい定期借家契約を「再契約」することができます。

 

では、なぜこのような契約形態が増えているのでしょうか?

まず、貸主にとっては定借の場合は契約終了時させたい場合、立退料が不要です。

また、適正賃料の改定を再契約時に行いやすいことも貸主側にとってのメリットといえます。

あと、契約期間が1年未満では普通賃貸借契約はありませんので、短期の契約などでも利用されています。

 

一方、借主にとっては定借の場合は、更新がないため、契約期間が短いと投資した金額が回収できない可能性があります。

もちろん、賃料交渉には応じてもらえる場合もありますが、「再契約できるだろう」と楽観的に

考えてしまうと大変なことになりますので、物件選びの際には契約形態の特徴もよく考えて、ご判断ください。

 

【定期借家契約で募集中の物件例】

・松山大同生命ビル 203

http://www.tenantehime.com/article/search/00002231

 

 

「夢をかなえるインフォメーションをリンク」するテナントインフォリンク!